「しょうがない」から生まれるエゴの対立-後編

前編からの続きです。
前編では
・「しょうがない」ーでも、それも自分の責任の範疇
・自己中心的と自己尊重は違う
・あたりまえ、という気持ちが前面に出ると、対立が起きてしまう、ということでした。

事例にあげたのは
線路にお財布を落としてしまった、からスタートした「財布を落とした人VS駅員さん」の話。
今回は、駅員さんからみた「しょうがない」、そして「しょうがない」への対処法を考察していきます。

  

沸点に到達するとき

アンガーマネジメント、という言葉や手法が広まってきています。沸き上がる怒りに対して、どう対処したら良いのか、というのは多くの人の関心ごとですよね。

怒りは、瞬間湯沸かし器のように、ボンッッといきなり爆発することもあれば、
ジワジワジワジワきていて、ついに溢れ出た!止まらない!!、ということも。
この「沸点に到達させること」、もちろん人によって異なりますが、あなたの沸点はどんなことでしょうか?

多くの場合、沸点の原因は2つ。

  • 「なにその言い方?!」ー言葉なり、態度なり
  • 「なんであなたにそんなこと言われなくてはいけないの?!」ーあなたは私の何??

「内容」そのものではない、ということが大きな特徴です。
会社の決まりですので→そんなの私には関係ないっ!、と思いつつも、「しょうがないな」を心の、頭のどこかで認めている。
だが、しかし。
「その言い方は何なんだ!」「失礼じゃない?」「バカにされている!」という想いがカチッ、と火をつけてしまうわけですね。

さらに
「なんであなたに??」という、”対ヒト”というのも沸点ポイントです。人によって対応が変わる、のは当然のことで、「外部者のあなたになぜ?」とか、「親でもないのに」「関係ないのに」、他「ルールを守らないあなたになぜ言われなくてはならないの?」的なこともあります。


内容そのものではなく、言い方 / 対ヒトが沸点のトリガーポイントー外的であり、
内的には「自分にとっての信念であったり、大切にしたいこと」という想いがあります。どうでもよいコト、言われるまで気がつかなかった、というようなことでは「沸点」までは至らない。

大切だからこそ、想いがあるからこそ、「軽々しく対応された」ように感じる。それが気持ちを爆発させるー沸点に到達するわけです。


 

事例から見えること

さて、お財布を線路に落としてしまった事例に戻ります。
大まかな流れは、線路にお財布落とした→しょうがない。駅員さんを呼ぶ駅員さん、確認。どうやってお財布を取るかを説明ちっとも取ってくれない(お金がお財布から出ているよーー)→しょうがない。非常停止ボタンを押すなにボタンを押しているんだ!電車が止まるんだぞ!!<沸点到達>

 

駅員さんは、沸点に到達したことから、どなったり巻き舌風になってしまったりで荒れてしまう。
何度も言葉にしたのは「その態度はなんだ」ということ。
言葉遣いだったのか、状況なのかー落とした、という個人の責任の範疇でありながら、断りもなく自分の主張のみで電車を止めた(非常停止ボタンを押した)。

 
事例の電車は、東京でも有数の超超混みあう駅、列車の1つ。日々安全に、遅延なく運行させることは、非常に壁の高い業務です。
それを遂行中、ということを思えば、内的な沸点ポイントに達し、
なんであなたに?、なにその言い方?という、外的要因も併せ、沸点ポイントを全て満たしているということに。


駅員さんの「言い方」ということへの賛否両論はありましたが(どなっていたり、言葉遣いだったり)、擁護するコメントの方が多かったようです。
「しょうがないよ」と思う人が多かった、ということですね。

 

「線路にお財布を落としてしまった人」の「しょうがない」側面と、「対応した駅員さん」の「しょうがない」。
あなたの「しょうがない」はどちらでしょうか?


 

しょうがない、への対応

心の余裕

しょうがない、という出来事は
自分も出しているし、自分が受け留めることもどちらもあります。
沸点ポイントを遅らせる、広くするために、普段からできることが「心の余裕」です。

「心の余裕」って、具体的はどんなことなのか?
たとえば
・数万円の宝くじが当選したり
・大好きなアーティストのライブで前の列が当選したり
そんな時の感情に似ています。


あまりにも高額な宝くじだと、家族のためにとか使い道がまた変わってくるのですが、ちょっと高額なおこずかい、へそくり程度の金額だと、なかなかウフフ♡な気持ちになりますよね。税金はかからないし、内緒で使える余剰なお金。なにに使おうかな~、と使い道を考えていたら…ちょっとくらい思い通り、期待通りにならないことなんて、気になりません!


大好きなアーティストのライブに行けるだけでもテンションが上がるのに、なんとステージからも近いとっっ!テンション爆上がりで、何着て行こうかな、ダイエットしないと、お肌の手入れもして~…もう忙しいので、ちょっとくらいの”しょうがない”は気になりません!


…これらが「心の余裕」です。
そんなに楽しいコトは普段起こらない?? 上記のような事例は爆上がり、的ですが、ポイントは「あなたの価値、をちゃんと理解・実践していること」です。
あなたの価値とは、あなたの資質や才能を活かした、もっとも充実感を感じる時間・空間。決して、なにがあっても無くなることはありません。
その時間・空間のための行動を日々起こしていると、それが最優先になるので、他のことにエネルギーを注ぎこめなくもなる。
「怒り」は、相当なエネルギーを消費することなので、反対にそんなに怒らなくなってくるものです。

しょうがないなぁ、を多く受け留められるようなっていき、それが返ってくるので、自分のしょうがないも、多くの人に受け留めてもらえるようになったりする。
 

愛のエネルギーは循環します。
あなたが「充実している」という状態、それは心の余裕につながり、良い愛のエネルギーの循環になりますよ。

 
  

RUNー撤収

海外の刑事モノとか戦闘モノのドラマ、映画で良く聞く言葉「RUN!」
走れ、逃げろ、といったニュアンスで、その場からの撤収ですね。

「RUN」の感覚、大事です。
あなたの愛の循環で受け入れた「しょうがない」を、「あたりまえ」としか思えない人もいるでしょう。「あたりまえじゃん」を一方的に突き付けられることもあるかも知れません。

心の余裕があれば、比較すれば大して気にならない、ということでしたが、あなたのエネルギーをムダに使ってはいけません。
しっかりと、『ここまで』という境界線を引いて、ココ以上になったら、一目散に「RUN」してください。逃げるが勝ち、もうそのエネルギーとは関わってはいけません。


なかなか「RUN」できないケースもあります。
私の実例だと、大家さんがなかなかの…いわゆる慇懃無礼(いんぎんぶれい)なお方。負のエネルギーが相まって、家のトラブル続きでした。
が、家の問題、となると、いずれは「RUN」するのですが、引越しは大きな事柄なので、今すぐに撤収できないということに。


そんな時は、しっかり境界線を引くこと / エネルギー的には関わりあわない、と宣言して、スピリットたちの力を借りてください。見えないバリアでしっかりと守ってくれます。
それを信じて、跳ねのける強さも身につけていきましょう。

 
 

エゴの対立

自分の思い通りにならないことはありますし、人が集まれば意見の合わないこともあります。
その中で、究極のエゴを押し出してしまうと、そこには対立しか生まれません。

自分が、自分が、という自分を押し出し、それがあたりまえになると、その物言いや態度が相手の沸点ポイントになるからです。

 
金銭でのやり取りは、「エゴ」が登場しやすいです。
「金払ってんだろう!」になるし、「えらそうにすんな、買って頂かなくて結構!」
それでは、ビジネスも、社会も回らなくなってしまう。

 
だから、前編でも登場した「自己尊重」ー自分を尊重している人は、他人も尊重できます。
価値を見出している人は、心に余裕が生まれて、良い愛の循環を生み出すことができます。

他ならぬ、統合意識でいることで、みながお互いに統合意識を持つこと、良い愛の循環を生む世界。
そんな世界、その世界の1人でいたいですね。