+1mmの知性

まさか、そんなことになるとは思わなかった。

傍から見れば、穴だらけの様態も、当の本人は1mmも疑わない。だから結局「だまされた」「いいように利用された」ということにつながってしまい…悩みの種となる。

恋愛も含む人間関係、仕事という金銭が絡む話など、そういった経験をしてきていた人も多いのではないでしょうか?
単に「頭が悪いから」「考えなしだから」という単純な話なのではなく、強調したいのは

「知らない」ことの重大さ/恐ろしさ、という点です。

とはいえ
知らないことを「知れ」、といったところで、そんな視点があることさえも「知らない」のですから、どうすればいい??

知らない、からどうやって自分に必要な「知る」までへと、辿り着くのか。
+1mmの知性を育てるには、どうしたら良いのか?ー結果としては「自分自身を知る」ということに尽きます。
1つの方法として、読み進めて頂けましたら幸いです。

自分と同じではない

自分の持つ感覚、印象。
それが全てではない、と自覚すること
が第1ステップです。一見、あたりまえじゃん、な話ですが、案外やってしまいがちなところです。有名どころでは「あなたのためを思って」という行動も、ここに入ってきます。

『私が』『あなたのため』にする思考/行動は、私基準であり、あなた基準ではないため、相手が自分と同様に「良かれ」と判断するのかどうかはわかりません。
シンプルに愛情表現である場合も多く、そういった話を聞くのは本当に心が痛むところではあるのですが、結果として「自己満足に過ぎない」ということにもなります。相手が喜んでいない、ならー。
自分の「いいな」が、同様に相手にとっても「いいな」ではない、こともある。
 
 
相手を気遣う上で、基本となるのは「どうしたら、相手は喜ぶかな」という相手の目線。
それには「自分がされたら嬉しいコト」がベースにはなってきますが、『それだけ』ではない、ということも頭の隅に入れておくーここから「+1mmの知性」が生まれます。 

 

 

+1mmの知性

「知性」ー物事の理屈がすぐ理解できる能力。理知。

新明解国語辞典

「理知」ー物事について正しい認識を持ち、それを基に論理的に思考したり、判断したりする能力。

新明解国語辞典

受容性が高い人ほど、相手や周りのことを広く受け止めることができる。これは簡単に真似できない、非常に素晴らしい性質なのですが、自分の愛情表現同様だと、相手にも期待して、そこから信じて疑わない、というデメリットがあります。ある意味頑固で、一辺倒しか知りません。


だから
「それが全てではない」ということも頭の隅に入れておくー相手はどうなんだろうか?
これは○○ってことなんだろうか?/他の方法があったりするんだろうか?


自分=相手、ではないのだから、「ではどうなんだろう??」を持つこと。
ここから「知性」という、考える・判断するための能力が育ちます。もとから「考えるのが苦手」とか、「頭が悪いから」と短絡的に思うのは言い訳であり、思考能力のない人はいません。
自分、という枠を飛び越え、それはどうだろうか??、という視点を持つことから始まります。そして、それは誰にでも育てていくことが可能です。 

 

 

自分を振り返る

そういった、今までは習慣的に行ってきた思考や行動に、違う視点を取り入れてみたら、その先には新たな疑問が出てきます。

そもそも、自分が思っていたことって…

そんな、自分を振り返るキッカケが出てくるのです。
冒頭では、「まさかこんなことになるとは…」という、言葉を出しましたが、
そもそもそれは
自分が相手に/現状に、なにかを期待していてー
つまり自分に無いことを相手に求めていて/改善したいなにかがあってー
そんな時の「相手の行動」「現状の変化に」自分勝手ストーリーで「良かったぁ」って思いこんでー
結局「裏切られた」みたいになったんだ

自分、○○が欲しかったんだな/足りなかったんだな/苦しんでいたんだな


自分へのベクトルが、関心が、愛がなかったことに「気づく」「知る」。
知らないことを知る、といっても、全ての知識を得るということなど誰しも不可能ですし、だから知らない自分はダメな奴、と卑下する必要もありません。

知らなければ聞けばいい、とか、調べればいい、というのも一つの方法で、今では情報は簡単に手に入る時代でもあります。

しかし
「知らない、ということに気づく」ということが一番難しいところです。
そこで大切なのは
「自分自身の心に、一番必要なコト」に目を向けることです。自分をないがしろにして、他人や周りとの調和ばかりに気を取られていると、最終的に心がすさみ、満たされず無機質になっていきます。
そのような状態では「他の視点」などを、思考できる余裕も出てきません。


結果として
自分を大切にできる人は、同じように相手を尊重しながら、大切にします。
なので、自分の想いを押し付けることもありませんし、自分との価値観が違っていても、どちらも同様に大事にできます。

+1mmの知性を育てるのは、知性という思考能力ではなく、「自分自身を知り」「自分を愛している」という心の余裕から生まれて育つものです。
あなたの「知らなかった」こと、それは単なる知識なのではなく、「自分自身」だったのかもしれません。