日常で起こるマジシャンのトリック

マジシャン、摩訶不思議な現象を私たちの前に繰り広げて驚きや感動を与えてくれる人たちですね。
皆さん、マジックは好きですか?私は鈍い方でして、マジシャンのトリックには全く気付かず、ただただ「どういうことなの??」と頭をひねるばかり…そのムダのないパフォーマンスに圧巻されるばかりです。

さて、このマジックですが、エンターテイメントである以上「種」はあります。「種も仕掛けもありません」とは常套句ですが、種も仕掛けもバリバリ存在しています。
マジシャンが使っているのが「思い込み」です。「ホラ、手には何も持っていませんよ」「ホラ、ちゃんと見ていないと見失いますよ」と、無意識的にも私たちの意識を傾かせ→「手」や「「消える対象物」へ、私たちの意識から外れたところで仕掛けています。
なんて、偉そうに語っているようで、ちっとも実際のマジックではその仕掛けに気付かないのですから、なんの説得力もありませんけれど。。。

 

 

私たちの脳にもマジシャンがいる

Voyager Tarot I-Magician
思いを現実化する魔術師です

マジシャンが行う「種や仕掛け」が存在するマジック、
マジックというショーの中だけではなく、私たちの日常でも繰り広げられています。

それは「思い込み」です。
私たちは自分が思った枠の中だけでしか、物事を判断していません。
それはおかしいことなのではなく、当然のことー人は自分に関係性のある、興味のあることしか情報を拾いません。

RASという、脳の機能の働きによるためです。

【RASについて、過去の記事はこちら→「ないものばかりを探す脳」
自分の持つ枠の中だけでしか、物事を見ていないし、理解もしていないのです。皆それぞれの言葉の辞書を持ち、例えば「愛」と一言で言っても、その「愛」の意味するものが皆異なってくる…

だから、ウソを言っているわけではなく、自分とあの人と言い分が食い違うことだって普通だし、「○○って言ったじゃないか!」「そんなこと言ってない=そういう意味で言ったんじゃない」、なんてことは普通に起こります。
これが「対自分」の中でも起こります。わかりやすいのは「自己愛、自己肯定感、自己信頼が低い」ということです。
「自分はダメだ」という枠の中だけでしか、自分を見ていないのです。もっと光の当たっている部分はたくさんあるのに…。RASにより、はみ出たところを意識することはできません、残念ながら。

 

 

思い込みを外すには

「もっと別の角度から捉えてみましょう」
「木を見て森を見ず、にならないように、もっと俯瞰して大きな視点で見てみましょう」
というのが、思い込みを解く打開策です。
けれど。
そう聞いて、「そうですね!」とわかる人がどれくらいいるのかな、と私は疑問に思います。
実際私も、「別の角度から見てみましょうということですね」と言われたことがありますが、「その、別っていうのはどこですか?何ですか??」と突っ込みどころが満載で、結局そのリーディングが役に立たなかったこともあるからです。
言葉で言うのは簡単ですが、「見えなかったものを見えるようにする」というのは、見えないのですからどうしようもない、というところにも突き当たる、難しい視点だと思います。

Voyager Tarot Two of Crystals
Equanimity-冷静沈着、高いところから見渡す俯瞰力を表します

 

 


 

 

では、どうしたら思い込みを外し俯瞰した目線を持てるようになるのか?
2つの方法をお勧めします。

自分に苦手なもの、今までの自分にないものを取り入れること
・論理的思考で、何でも考えてしまいがちなら理由のない「感情」を味わうこと
・なんでも直感で動く、というタイプなら「紙に書く」「自分の声を録音する」など方法は何でも良いので、計画性や効率、メリットデメリットを「考えて」みること
・体の声を聴けるように、五感に気を配ってみること  など。

 

バランスのとれた自分、自分自身を調和させてゆくために、偏りを改善してゆくのはとても良い方法です。
新しい自分を発見できる、きっかけとなるでしょう。

 
何をどう行うにしても、結局ここが原点で終着点「自己愛を育てる」
・自分が好きになれない
・嫌いというわけではないけれど、自信はない
自分自身への信頼がないのは、結局何を行うにしても脚をグイグイと引っ張る関所となります。
これもバランスなので、自分を大切にする、という気持ちが相まって自分を高め過ぎたことから「オレ様」が誕生することもあります。タイプはいろいろあるのですが、結局他人を押しのけて自分を上げる、ということでの満足感もあることから、こちらも本来の意味での「自己愛」「自己信頼」とは異なりますね。
(カリスマ的存在とされる方など、それはそれで良し、とされるパターンもあります)

 

【自己愛】については、こちらもご参考に「自己肯定感、とはどういう気持ちなのか」

過去の自分も、今の自分も、未来の自分も、「この自分」であることには変わりはなく、一番の基本は「自分ーBody / Mind / Spirit 」が調和していることです。
大丈夫、思い込みを外したら自分ってなかなかやるな!、という面もたくさん見つかるものです。

 



RASは自身にとって有益な情報を集めてくれる、とても優れた機能です。
そこに縛られてしまい見える範囲を狭めるのではなく、上手に活用すればたくさんの世界を見れる助けにもなってきます。
どう使うかは自分次第、トリックに騙されずに使いこなしましょう。
でも…私はマジシャンの(マジックの)種あかし、は基本的に見ません。「なんで??すごい!!」を単純に楽しんでいますから!