冥王星の話

太陽から最も遠い、あまり光の届かないところにいる「冥王星」
西洋占星術では、絶大な威力を持つ惑星として有名ーゆえに、人によっては苦手意識を持ってしまうようです。
太陽から遠く、なかなか情報が得にくいという点からも、まだまだ知られざる世界である冥王星、が本日のテーマ。冥王星ってどんな星? / 冥王星好き❃ / 冥王星、ねぇ… などなど、少しでも冥王星に興味のある方、冥王星と仲良くなってみたい方、ぜひ読み進めてみて下さい☆

 

冥王星とは

「水金地火木土天海冥(すいきんちかもくどてんかいめい)」
日本で古くから言われてきた、太陽系の惑星の順番です。が、冥王星は2006年に惑星から外れ「準惑星」となりました。
なので、もう今では太陽系の図には冥王星がない。冥王星LOVEな身としては、そんなプラネタリウムグッズなどを見てはちょっとがっかりです⤵
 
 
冥王星の直径は、2,370キロメートルであり、地球の衛星である月の直径(3,474キロメートル)よりも小さい・・ウィキペディアより
 
なんと、お月様よりも小さい。(そもそも月は、衛星にしては非常に大きい)
それでいて、めちゃくちゃ太陽から離れておりますので、それはそれは極寒の地と言われます。
公転周期もケタ違いにゆっくりー太陽を1周するのに「249年」かかります。それゆえ、「個人」というよりは「時代」を反映するような星、と言われます。

 
占星術として解釈されるのは、
「破壊と再生 / こだわり・極める / 真理・深部 / 変化 / 地下世界・闇 / 絶対 / 支配」といった感じで、簡単に言うと「チャラチャラした感じ」とは無縁の、結構(かなり)厳しい感じ…です。そもそも個人による「選択権」などありませんのでっ、的な。。

そういった働きのある冥王星、小さいのに(?)なぜそこまでのパワーを秘めているのでしょうか?? 

 
 
 

タロットカードで見てみると

Voyager Tarot-XVI-Tower

冥王星の「破壊っぷり」でいうと、最も当てはまるのが
「Tower-塔」
のカードです。変容の代表的なカードであり、”塔”という高く積み上げられてきたものが、根こそぎ崩れる、ガッシャン!!
という感じですね。
よく例えられるのが、パソコンの強制終了、みたいな。あ、まだ使っているのに…一気に全部終了!させられちゃう。

Voyager Tarot-XIII-Death

 

ボイジャータロットカードの大アルカナには、12星座がそれぞれ割り当てられており、冥王星をルーラー(支配星)として持つ、蠍座に相当するのは「Death」のカードです。
Towerの強制終了、というイメージに比べれば、Deathカードは「断捨離」といった感じでペースがかなりゆっくりにはなりますが、いずれにしても「なにかを捨てて、変わる時」という意味合いですね。


このDeathのカードは、色合いも華やかではないですし、彫像として描かれているニューギニアのデスマスクのインパクトが強いので、あまり好きではないという方もいるのですが、反対に、深ーーーい部分までしっとりと入り込んで、静かに内省する…という雰囲気も満載なため、心に染み入るカードの1枚でもあります。蠍座の奥深くに入り込むという静かな特徴と相まって、冥王星の静かに佇む雰囲気も出ていますよね。 

 

  

皮膚のような働き

冥王星は、先に書いた通り、太陽系の最も離れたところに位置するーこれがとても重要なところで、「広い宇宙の中の太陽系の内部と、太陽系の外部を分け隔てる意識の境界線」であると言われています。外宇宙への扉、とも。

 
これって、人間に例えると「皮膚のような働き」です。
私たちの身体全身を覆っている皮膚、ここから外は身体の外部であり、皮膚から内側が身体の内部です。だから、皮膚表面は既に核を持たない死んだ細胞の「角質層」で覆われ、外界からの刺激に耐えうるようにできている。(この角質層を上手く作れないのが、アトピー体質です)
 

それって、身体に良いのものなのか?害になるんじゃないのか?
皮膚のバリア機能は、何層にも分かれて防御をしており、良いモノしか取り入れない、という選別をしています。
あるいは、人によっては炎症が起きたりというアレルギー症状もあれば、最初はトラブルが出たけれど慣れてきた、と順応することもありますよね。 

 


 

冥王星も同じです。
常に動いている宇宙エネルギーの中で、どのエネルギーが今太陽系に必要なのか/否か。取り入れるのか/排除するのか。
さらには、太陽系内部ではどんな変化が起きているのか。いかん、これはもう必要ない、と判断したらー破壊。そして、新しいことを誕生させる。
大宇宙での、太陽系という一つのまとまり、その境界線を創っているのが冥王星です。
すごい…裏ボス感、満載です。。 

 

  

最も重要なこと

と、ここまでの内容だと、冥王星ってやっぱり怖い、といったイメージを持たれるかもしれませんが…冥王星は、単純に「壊し屋」なのではありません。
破壊力、というところで言えば、天王星も然りではありますが、これらは「新しいことを取り入れる」ために、要らなくなったこと・ものを断捨離する、ということ。
だから「破壊」と「再生」がセットです。
 
 
そもそも太陽系の「太陽自体」が、宇宙空間を爆速で移動しており、その太陽の周りを、地球を含む惑星たちが自転+公転でクルクルクルクル回っているーつまり「止まっている」ということがありません。


人間は「安定」を本能的にも求めるので、「留まること」を望むという側面が誰しもあるものの、現実には「止まる」ということ自体があり得ないー常に変化、変化の毎日です。
 

そこで、なにを取り入れて、なにを捨てて…というエネルギーを運んでくるのですが、
「変わらないことー本物/本質」を失わない。
これも大きな特徴です。先に書いていた「チャラチャラした感じとは無縁」、とはこの辺りのことで、「本当は…」として語り継がれるようなことー変わって良いことと、変えてはいけないことがある、という境界線もしっかりと踏まえた「破壊」と「再生」です。そんな深い深いところでの「軸」をしっかりと持つー本物志向、といった”こだわり”のある方は、きっとこの冥王星のエネルギーと縁のある人なのでしょう。 

 

 

ホロスコープで見る

占星術でいう「縁のある星」は、アスペクトという天体同士の角度で読み取ります。
本人が意識をしていなくても、例えば冥王星に縁がある、ということなら、なにに対しても本質を追求したがる、といったような傾向が出ていたりします。
もともと個人の持つ資質や才能なので、自然と表面化されていることもありますし、あるいは反対にまだ開花していなかった、ということもあります。
出生時間が必要とはなりますが、わかる方は一度じっくりホロスコープ鑑定をしてみることをお勧めします。
ホロスコープは「今世での魂のブループリント」、自分を知るということに大いに役立ちます。

 
ちなみに
冥王星(及び海王星)は、個人への影響が大/努力次第でいかようにも、という視点の惑星ではないので、特にアスペクトという特別な角度を持たなくても、何かが足りない…といったように、目立つことはなさそうです。
自覚があってもなくても、またアスペクトがあってもなくても、「時代を反映するようなエネルギー」として、しっかり個人の中にも浸透しています。
(昭和○○年代/平成時代など)



裏ボス感満載の、冥王星の話、いかがでしたか?
ご自身のちょっと辛かった時代を振り返って見ると、実は冥王星の働きだったか…ということも鑑定では見受けられます。とはいえ、その変容を促す力があったからこそ、「変容」を遂げることができた、と言えますよね。冥王星は、自分の道/魂の道を歩んでいくための強力なサポートをしてくれます。そんな風に、冥王星との距離を近づけて頂けたら…幸いです☆