ボイジャータロットで観る「自由」

ボイジャータロットカードの中には、「自由」というタイトルのカードはありません。ですが、意味として「自由な」という感覚を含んでいるものもいくつかありますし、リーディングの発展系として読める、という場合もあります。

 
今回は、そういったボイジャータロットカードから読み取れる「自由」をいくつかご紹介していきます。今のあなたに必要な「自由」はどんな感じでしょうか?
カードの拡大解釈の1つとしても、ぜひ読み進めてみて下さい。

 

大アルカナから

Fool Child~愚かな子供

0-Fool Child-愚かな子供

0番であるFool Childは、愚かゆえの「最強」の自由を持っていると言えるのかもしれません。
度を越えれば、KYであるとも言えますが、そんなこと自体がお構いなし、という底知れぬ自由を持っています。
とはいえ
単に考えなし、ということなのではなく、そもそものベースには
「0番」という、まだ生まれていない、始まっていない「種」の状態であることー私が、私であるための、全ての要素・可能性を含んでいる、という意味があります。
この可能性をどう活かすのか、育てるのか、は自分次第。なにがあっても大丈夫、宇宙への絶対的信頼を持ち、なんの制限もなく自分を輝かせる、やはり最強の「自由」を秘めているカードです。

 
 

Strength~強さ

XI-Strength-強さ

大アルカナの11番は「Stregth-強さ」のカード。
強さ、と言っても、戦士(戦車)のような爆走!といった直線的な強さではなく、女性性の持つ「しなやかな強さ」を意味しています。また、中心には卵が今にも割れて、中から何かが生まれて来そうーここでもFool Childのような「種」から新たに生まれてくる、という可能性の強さを感じます。

そういった「強さ」を持つこのカードには「自主独立」という、もう一つの側面があります。自分の脚で立つ、自分を確立させる、という強さです。オリジナリティ、ということもできるでしょう。なにかに従属するのではなく、自分という軸を持ち、しなやかに生きるーライオンでさえも従ってしまうようなそのパワーに圧倒されますね。

ナンバー1ではなく、『オンリー1』を目指すようなイメージ、自分を自由に、気兼ねすることなくノビノビと生きている様子が伺えます。 
 
 
 

Sun~太陽

XIX-Sun-太陽

大アルカナのように生きる、としたら、どのカードを選びますか?
そんな質問の、上位常連であるのがこの「Sun-太陽」のカードです。西洋占星術では、自分の持つ太陽の性質を活かすことが、魂を輝かせることだ、とする読み方もあります。
太陽という、太陽系の中での唯一の「発信天体」ー自らを輝かせ、とにかく「自由に」「人生を謳歌」という言葉がぴったりかもしれません。
Sunは、21番の最終カード「Universe-宇宙」(ウェイト版タロットのThe World.に相当)へ向けて、19番という最終局面でもあるカード。「宇宙空間ー霊性界とのつながり」と「コインー物質世界での成功」「恋人たち」「美しく咲く花々」など、こんな風に生きれたらいいよね、という、全ての幸福を集めたような充実感もありますね。

反面、こういった「自由」は、Fool Childしかり、度を越えるとKYという独りよがりにもなりがち。「熱く」なりすぎない、というバランスも必要です。
 
 
 

小アルカナから

Aspiration~大志

Four of Wands-Aspiration

ボイジャータロットカードでの「自由」、真っ先に思い浮かぶカードは、この「Aspiration-大志」のカードかもしれません。
なんといっても、シンボルの1つに「自由の女神」があります!
こちらは、4番という「Emperor-皇帝」の関連カードであり、皇帝の魂ー常に上を目指す、という強く前向きな意志が表現されています。
自由の女神は、右手を高く上げ、自由と希望を表現するたいまつを掲げています。なににも制限されることの無い「自由な生き方」、ここまで、これしか、という限界を自ら創るのではなく、常に上へ上へと目指すという、魂の性質が表現されています。
魂の学び、成長には制限がありません。

ここまでやったら終わり、というのではなく、常に楽しみながら、たくさんのことを体験しにここへ来ている、ということですよね。だから、自分で自分に制限を課すのではなく、魂の想いを反映するなら、それはまさに「自由に」ということになるでしょう。
 
 
 

Harmony~調和

Eight of Wands-Harmony

8番の「Balance-バランス」の関連カードである「Harmony-調和」、他のカードたちからすると、ちょっと”控えめな”自由であるのかもしれません。
このカードで表現されているのは「オーケストラ」です。
みなそれぞれが、個性的な音を持つーこれが私たち一人ひとりの個性、特性です。そういった個性を持ちながら、メンバーが1つになって、オーケストラを創り、壮大な1曲が完成する。
誰が1番とか、誰の方がすごいとかではなく。みながそれぞれの得意を持ち寄って、1個を創り上げるーだからこそ生まれる「調和」の世界。
結局、こういった姿が地球上での究極の自由のようにも感じます。

Strengthの持つ「オンリー1」の世界観と、全体が上手く調和をしたカタチー好き勝手というわがままではない、真の自由には「調和」というエネルギーも同時に内包されているようです。
 
 
 

Integrity~誠実

Nine of Wands-Integrity

9番の「Hermit-隠者」の関連カードである「Integrity-誠実」
そもそもHermitという隠者自体が、かなりの自由人です。いわゆる研究者気質といった感じで、一つのコトー自分の興味のあることに没頭し、周りはほとんど見えていない、的な感じでしょうか。
隠者、という言葉からも、山に籠って修行、みたいなイメージを持たれるのかもしれません。
この隠者の魂は、非常に「誠実」ですー自分自身に対してまっすぐで誠実なのです。カード中央には、「見ざる聞かざる言わざる」のシンボルが登場していますが、周りに惑わされることなく、自分の魂の道を誠実に、一人でまっすぐ進むーそれは強くもあり、一見孤独なようで、心から充実した「自由ー魂の自由」を噛みしめながら進んでいるとも言えるでしょう。

ちなみに、統合意識が進めば進むほどに、自分自分に対して誠実、という姿勢が強化されていきます。それは同時に、周りに対してもイコールで「誠実」ということにつながっています。
 
 
 

ファミリーカードから

ウェイト版タロットの、コートカードに相当するのが「ファミリーカード」です。
「Child」「Man」「Woman」「Sage」と、年齢を重ねるように、大アルカナに紐づいた人物カード構成になっています。
 
 

Feeler~感じる子供

Child of Cups-Feeler

Childの関連カードからは「Feeler-感じる子供」
Fool Childの関連カードですから、いわばChildカードは全てにおいて「自由」である、と言えますね。
Feelerの英語訳は「感じる人」になりますので、子供に限定せず、感情を素直に感じる、という意味がベースにあります。
カードの中の子供たちは、笑ったり、怒ったり、泣いたり、叫んだり、ふてくされたり…と、かなり感情表現が「自由」です。
大人になると、ここまでわかりやすく顔に出す、とか、表現するということが、現実的には難しいことも多いーその場を取り繕う、ということがほとんどかもしれません。
それもある意味、調和という全体性からすれば、必要ではあるものの。

そういった「感情の未消化」が、大人の大きな課題なのかもしれません。フタをした、その場を凌いだ感情は、無くなったわけではなく、「感じる」ということがないなら、そのままどんどん蓄積されて、しまいにはかなり心が淀んだような感覚になってきます。
つまり
「自分自身には」Feelerという、自由に、素直に感情を表現する、味わうという機会を持つということが、かなり大切なことになってくるのではないでしょうか?
誰よりも、自分が自分の感情をわかっているよ、と理解を示すことが、感情開放の自由へとつながってゆくでしょう。
 
 
 

GuardianとActorの循環

Woman of Crystals-Guardian

少し趣向を変え
実際のリーディングで出てきた非常に興味深い「自由」なカードたちをご紹介します。
それは
「Priestess-女教皇」の関連カードである「Guardian-護る女性」と、
「Magician-魔術師」の関連カードである「Actor-俳優」のカード、による循環です。

Man of Wands-Actor

Guardianは「Guard-守る」というから来ている言葉ですので(ガードマン、を想像するとわかりやすいですね)、女教皇が静かに「護って」いるのですよね。女教皇は、霊性界とのつながりが最も強い方ですから、見たり聞いたり、という現実世界には惑わされずに、静かに大事なものを護っています。
それが手のひらに収められている「ダイヤモンド」ー自分軸的象徴です。
 
 
そういった、静かな女教皇に対して、アクティブなマジシャンー魂のカードはActorという俳優さんを表しています。俳優を仕事とする方々は、自分自身はどうあれ、さまざまな役柄を演じているーここから意味が発展し「なんにでもなれる」、という究極の自由さがこのカードにはあります。
 
 
なぜ俳優さんたちは、どんな役でもこなせるのかーそれは「ゼロ」というフラットな状態だからです。
ゼローなにもない / すべてがある、という両方の意味を含んでいる、不思議な世界観の「ゼロ」の意識。
なにかに、どちらかに偏るということがなくフラットなため、なんにでも染まることができるのですね。


一見相反するような「Guardian」と「Actor」の性質は、「ニワトリが先か、卵が先か」という、循環につながります。

「Guardian」という真に大切なことがあるから
「Actor」という、自在になににでもなれる自由が生まれる
 
「Actor」という自由自在に動き回るなら
「Guardian」という、真なる軸が必要

 
この循環は、私たちの人生観そのものかもしれません。
「循環」とは、「陰陽バランス」しかり、一見相反することがセットになることで回り出す。統合感そのものです。
本当の自由には「芯/軸」を伴い、そして小アルカナの「Harmony」の解説にも出てきましたが、そこには「調和」が生まれるー
自分に対しての調和であり、自分と周りに対しての調和でもあります。
 
 
 

Knower~智慧の人

Sage of Crystals-Knower

ファミリーカード、Sage(賢者)からは「Knower-智慧の人」
アインシュタインが代表的な彫像であり、まさしく「賢者」であり「智慧」の象徴ですよね。
Crystalという「思考」のスートに相当するカードなので「智慧」という意味になり、非常に見識の在る人 / かしこい人、発展してリーディングでは「もうわかっているのでは?」という時にも登場します。
同時に、今回のテーマである「自由」がどこに潜んでいるかというと「手のひらにあるクリスタルボール」です。
これは、広大な宇宙ー大宇宙に対して、小宇宙ー私たち自身であり、私たち個人個人に宿る「宇宙意識」を指しています。
私たちは小宇宙の存在たちであり、「全て知っている」

必要なことは全て知っているし、全て持っているー宇宙の存在そのものなのだから。
ワンネスという、全て知っているという「一(いち)」の世界から分離し、「知らない」を体験し学んでいるのが、現在の私たちです。知っている、ということを忘れているだけで、実は「一(いち)」の世界は既に自分の中にあるのだから、気がついて思い出していけば、足りないことなんて一つもない。
 

だから、知らない / わからない / 持っていない / 無理、という世界観自体が幻想で、そういった制限なく「自由に」生きることができる、という、Sageならではのかなり壮大なテーマのカードです。

 
そんな生き方むずかしい…でしょうか?
実は意外とすんなり、そうだよね!と実感できたりします。
そのために必要なのが、先に出てきた「Guardian」という、自分の価値感とも言えるような軸となるところであったり、「Integrity」という誠実さ、さらには「Fool Child」のような絶対的な宇宙への信頼…
それらの1つ1つが、さらに自分を「自由」に、ゆとりを生み出します。
 
 


 
 
ボイジャータロットカードから、「自由」をテーマに10枚ご紹介してみました。
あなたの求める「自由」、既に手にしている「自由」、いろんな形の自由がありますね。
いずれにしても、真の自由には、既に書いたように「調和」を伴い、そしてそこには「責任」も同時に伴います。
というと、一気に重い言葉に聞こえますが、プラス同時に「楽しい!」もあり。
それらは「宇宙にゆだねる」「任せる」「同調して生きる」という姿そのものです。